化学工学の基礎を、数式と直感の両面から初学者にもわかりやすくお届けします。
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化学工学の計算では、密度、粘度、比熱、熱伝導率、拡散係数といった物性値が何度も登場します。公式を覚えていても、物性値の意味や単位を取り違えると、計算結果は正しくなりません。
たとえば同じ体積の水と空気では質量が大きく異なり、同じ量の熱を加えても温度の上がり方が違います。これは、それぞれの物質が異なる密度や比熱をもつためです。
この記事では、化学工学で特によく使う5つの物性値について、定義、単位、基本式、温度・圧力による変化、計算での使い方を解説します。個別の値を暗記するよりも、「何が移動しにくいか」「どの計算に必要か」を理解することが目標です。
- 物性値とは何か、なぜ化学工学の計算に必要なのか
- 密度・粘度・比熱・熱伝導率・拡散係数の意味とSI単位
- 粘度と動粘度、比熱と熱伝導率の違い
- 温度・圧力・組成によって物性値が変わる理由
- 水と空気の物性値を感覚的に比較する方法
- 物性値表やデータベースを使うときの注意点
単位と次元に不安がある方は、先に化学工学で使う単位と次元を確認すると理解しやすくなります。
物性値とは
物性値とは、物質が示す物理的な性質を数値で表したものです。英語では physical property または thermophysical property と呼ばれます。
密度なら「単位体積あたりにどれだけ質量があるか」、粘度なら「どれだけ流れにくいか」を表します。物性値は、物質の名前だけで一意に決まるとは限りません。同じ水でも、温度や圧力が変われば密度や粘度は変化します。
化学工学では、物性値を使って次のような現象を定量化します。
- 配管を流れる流体の圧力損失
- ポンプや撹拌機に必要な動力
- 熱交換器で移動する熱量
- 乾燥、蒸留、吸収などで移動する物質量
- 装置内の温度や濃度が変化する速さ
示量性と示強性
物理量を整理するときは、示量性と示強性の違いを知っておくと便利です。
示量性の量
示量性の量は、系の大きさに比例します。質量、体積、熱容量などが該当します。水を2倍に増やせば、質量も熱容量も2倍になります。
示強性の量
示強性の量は、系の大きさだけでは変わりません。温度、圧力、密度、粘度、比熱などが該当します。20℃の水を同じ状態のまま2倍に増やしても、温度や密度は変わりません。
ただし、示強性の物性値であっても、温度・圧力・組成・相が変われば値は変化します。
化学工学でよく使う物性値の一覧
| 物性値 | 代表記号 | SI単位 | 主に使う分野 | 直感的な意味 |
|---|---|---|---|---|
| 密度 | \(\rho\) | \(\mathrm{kg/m^3}\) | 物質収支・流動・静水圧 | 同じ体積にどれだけ質量が詰まっているか |
| 粘度 | \(\mu\) | \(\mathrm{Pa\cdot s}\) | 流動・撹拌・粒子沈降 | 流れや変形への抵抗の大きさ |
| 比熱 | \(c_p\) | \(\mathrm{J/(kg\cdot K)}\) | エネルギー収支・伝熱 | 単位質量の温度の変わりにくさ |
| 熱伝導率 | \(k,\lambda\) | \(\mathrm{W/(m\cdot K)}\) | 熱伝導・熱交換器 | 物質内部での熱の伝わりやすさ |
| 拡散係数 | \(D_{AB}\) | \(\mathrm{m^2/s}\) | 物質移動・分離操作 | 分子が濃度差によって広がる速さ |
これらはすべて「物質がもつ性質」ですが、表している現象は異なります。特に比熱と熱伝導率は混同しやすいため、後ほど違いを整理します。
密度とは
密度 \(\rho\) は、質量 \(m\) を体積 \(V\) で割った値です。
\[
\boxed{\rho=\frac{m}{V}}
\]
したがって、
\[
\boxed{m=\rho V}
\]
です。SI単位は \(\mathrm{kg/m^3}\) です。
密度の感覚
20℃付近の水の密度は約 \(998\ \mathrm{kg/m^3}\)、1気圧の空気は約 \(1.2\ \mathrm{kg/m^3}\) です。同じ \(1\ \mathrm{m^3}\) でも、水は約998 kg、空気は約1.2 kgしかありません。
そのため、液体の輸送では小さな体積でも質量流量が大きくなりやすく、気体では圧力や温度による密度変化を無視できない場合があります。
比体積との関係
単位質量あたりの体積を比体積 \(v\) と呼びます。密度の逆数です。
\[
\boxed{v=\frac{V}{m}=\frac{1}{\rho}}
\]
比体積のSI単位は \(\mathrm{m^3/kg}\) です。
例題1:水10 Lの質量
20℃の水 \(10\ \mathrm{L}\) の質量を求めます。密度を \(998\ \mathrm{kg/m^3}\) とします。
\[
10\ \mathrm{L}=0.010\ \mathrm{m^3}
\]
したがって、
\[
m
=
\rho V
=
998\times0.010
=
9.98\ \mathrm{kg}
\]
となります。水では「1 Lがおよそ1 kg」という感覚が使えますが、高温・高圧や水以外の流体では必ず密度を確認します。
粘度とは
粘度は、流体内部の層どうしがずれるときの抵抗を表す物性値です。はちみつは水より粘度が高いため、容器を傾けてもゆっくり流れます。
ニュートン流体では、せん断応力 \(\tau\) と速度勾配の間に、
\[
\boxed{\tau=\mu\frac{du}{dy}}
\]
という関係があります。ここで \(\mu\) は粘度(粘性係数、dynamic viscosity)です。SI単位は \(\mathrm{Pa\cdot s}\) です。
粘度が大きいほど、同じ速度勾配を作るために大きなせん断応力が必要です。
動粘度との違い
動粘度 \(\nu\) は、粘度を密度で割った値です。
\[
\boxed{\nu=\frac{\mu}{\rho}}
\]
SI単位は \(\mathrm{m^2/s}\) です。動粘度は、流体中で運動量が広がる速さと考えることができます。
20℃の水について \(\mu=1.00\times10^{-3}\ \mathrm{Pa\cdot s}\)、\(\rho=998\ \mathrm{kg/m^3}\) とすると、
\[
\nu
=
\frac{1.00\times10^{-3}}{998}
\approx
1.00\times10^{-6}\ \mathrm{m^2/s}
\]
です。
粘度と動粘度の詳しい違いは、粘度とは?粘性係数・動粘度の違いで解説しています。
比熱とは
比熱は、単位質量の物質の温度を1 K上げるために必要な熱量です。厳密には比熱容量と呼びます。
温度変化が小さく、相変化や反応がない場合、必要な顕熱 \(Q\) は、
\[
\boxed{Q=mc_p\Delta T}
\]
で求められます。ここで \(c_p\) は定圧比熱、SI単位は \(\mathrm{J/(kg\cdot K)}\) です。
比熱が大きい物質ほど、同じ質量に同じ熱量を加えても温度が上がりにくくなります。水は比熱が大きいため、熱媒体や冷却媒体として広く使われます。
定圧比熱と定容比熱
気体では、定圧比熱 \(c_p\) と定容比熱 \(c_v\) を区別します。
- \(c_p\):圧力一定で加熱するときの比熱
- \(c_v\):体積一定で加熱するときの比熱
定圧加熱では気体が膨張して外部へ仕事をするため、一般に、
\[
c_p>c_v
\]
です。液体や固体では両者の差が小さいため、多くの基礎計算で \(c_p\) を使用します。
詳しくは、比熱とは?定圧比熱Cp・定容比熱Cvの違いを参照してください。
例題2:水を加熱する熱量
水100 kgを20℃から60℃まで加熱します。平均比熱を \(4.18\ \mathrm{kJ/(kg\cdot K)}\) とすると、
\[
\Delta T=60-20=40\ \mathrm{K}
\]
\[
Q
=
mc_p\Delta T
=
100\times4.18\times40
=
16\,720\ \mathrm{kJ}
\]
したがって、必要な熱量は約 \(16.7\ \mathrm{MJ}\) です。実際の装置では、容器の加熱や周囲への熱損失も加えます。
熱伝導率とは
熱伝導率は、物質内部で熱が伝わりやすいかを表す物性値です。温度勾配があるときの熱流束 \(q”\) は、一次元のFourierの法則で、
\[
\boxed{q”=-k\frac{dT}{dx}}
\]
と表されます。ここで \(k\) は熱伝導率、SI単位は \(\mathrm{W/(m\cdot K)}\) です。
マイナス記号は、熱が高温側から低温側へ流れることを表します。熱伝導率が大きいほど、同じ温度勾配で多くの熱が移動します。
比熱と熱伝導率の違い
比熱と熱伝導率は、どちらも伝熱計算に使いますが意味が異なります。
| 物性値 | 表すもの | 直感 |
|---|---|---|
| 比熱 \(c_p\) | 熱を蓄える能力 | 温まりにくさ・冷めにくさ |
| 熱伝導率 \(k\) | 熱を伝える能力 | 内部での熱の通りやすさ |
たとえば水は比熱が大きいため温度が変わりにくい一方、銅などの金属は熱伝導率が大きいため、局所的に加熱しても熱が素早く広がります。
熱伝導の計算は、熱伝導の計算方法|平板・円筒壁・多層壁で詳しく扱っています。
熱拡散率とは
熱伝導率、比熱、密度を組み合わせた物性値が熱拡散率 \(\alpha\) です。
\[
\boxed{\alpha=\frac{k}{\rho c_p}}
\]
SI単位は \(\mathrm{m^2/s}\) です。
熱拡散率は、加えられた熱が物体内部へどれだけ速く広がるかを表します。熱伝導率が大きいほど熱拡散率は大きくなり、密度や比熱が大きいほど小さくなります。
20℃の水について、\(k=0.598\ \mathrm{W/(m\cdot K)}\)、\(\rho=998\ \mathrm{kg/m^3}\)、\(c_p=4180\ \mathrm{J/(kg\cdot K)}\) とすると、
\[
\alpha
=
\frac{0.598}{998\times4180}
\approx
1.43\times10^{-7}\ \mathrm{m^2/s}
\]
となります。
拡散係数とは
拡散係数 \(D_{AB}\) は、成分Aが成分Bの中を分子拡散によって広がる速さを表します。
一次元のFickの第一法則では、モル流束 \(J_A\) を、
\[
\boxed{J_A=-D_{AB}\frac{dc_A}{dz}}
\]
と表します。
ここで、\(dc_A/dz\) は濃度勾配です。熱伝導と同じように、マイナス記号は高濃度側から低濃度側へ拡散することを示します。
拡散係数は組み合わせで決まる
密度や比熱は「水の密度」「空気の比熱」のように表せます。一方、拡散係数は一般に、
- 水中の酸素
- 空気中の水蒸気
- 窒素中の二酸化炭素
のように、拡散する成分と媒体の組み合わせで指定します。そのため、単に「水の拡散係数」と書くのは不十分です。
気体中の拡散係数はおよそ \(10^{-5}\ \mathrm{m^2/s}\)、液体中ではおよそ \(10^{-9}\ \mathrm{m^2/s}\) の範囲にあることが多く、気体のほうが分子拡散は速く進みます。ただし、物質の組み合わせと温度・圧力で値は変わります。
詳しくは、拡散係数とは?気体と液体の違い・温度依存性で解説しています。
水と空気の物性値を比較する
次の表は、約20℃・1気圧における代表値の目安です。値はデータベース、純度、湿度、丸め方によって多少異なります。
| 物性値 | 水 | 乾燥空気 | 比較のポイント |
|---|---|---|---|
| 密度 \(\rho\) | 約 \(998\ \mathrm{kg/m^3}\) | 約 \(1.20\ \mathrm{kg/m^3}\) | 水は同じ体積で約830倍重い |
| 粘度 \(\mu\) | 約 \(1.00\times10^{-3}\ \mathrm{Pa\cdot s}\) | 約 \(1.81\times10^{-5}\ \mathrm{Pa\cdot s}\) | 水の粘度は空気より約55倍大きい |
| 動粘度 \(\nu\) | 約 \(1.00\times10^{-6}\ \mathrm{m^2/s}\) | 約 \(1.50\times10^{-5}\ \mathrm{m^2/s}\) | 密度で割ると大小関係が逆転する |
| 定圧比熱 \(c_p\) | 約 \(4.18\ \mathrm{kJ/(kg\cdot K)}\) | 約 \(1.01\ \mathrm{kJ/(kg\cdot K)}\) | 同じ質量なら水のほうが温まりにくい |
| 熱伝導率 \(k\) | 約 \(0.598\ \mathrm{W/(m\cdot K)}\) | 約 \(0.0257\ \mathrm{W/(m\cdot K)}\) | 静止流体では水のほうが熱を伝えやすい |
| 熱拡散率 \(\alpha\) | 約 \(1.43\times10^{-7}\ \mathrm{m^2/s}\) | 約 \(2.1\times10^{-5}\ \mathrm{m^2/s}\) | 熱を蓄えにくい空気は温度変化が広がりやすい |
この表から、粘度だけを見て流れやすさを判断できないことがわかります。流動状態には密度、粘度、流速、代表長さを組み合わせたレイノルズ数が重要です。
\[
\boxed{\mathrm{Re}=\frac{\rho uL}{\mu}=\frac{uL}{\nu}}
\]
レイノルズ数とは?層流・乱流の判定もあわせて確認してください。
温度によって物性値はどう変わるか
物性値表を使うときは、測定温度を必ず確認します。
液体
一般的な液体では、温度が上がると次の傾向があります。
- 密度は少し低下する
- 粘度は大きく低下する
- 蒸気圧は上昇する
- 熱伝導率や比熱も変化する
特に粘度の温度依存性は大きく、冷たい油と温かい油では圧力損失やポンプ動力が大きく変わります。
気体
低圧の気体では、理想気体近似により密度は、
\[
\boxed{\rho=\frac{PM}{RT}}
\]
と表せます。同じ圧力なら温度が上がるほど密度は低下し、同じ温度なら圧力が上がるほど密度は増加します。
気体の粘度は、多くの場合、温度上昇とともに増加します。液体とは逆の傾向なので注意が必要です。
圧力と組成の影響
常温付近の液体は圧縮されにくいため、低圧から中程度の圧力範囲では密度の圧力依存性を小さいとみなせることがあります。一方、気体の密度は圧力に強く依存します。
また、混合物の物性値は組成によって変化します。エタノール水溶液、食塩水、油と溶媒の混合液では、純物質の値をそのまま使えません。
混合物の密度や比熱は加重平均で近似できる場合もありますが、粘度、熱伝導率、拡散係数は単純な線形平均にならないことがあります。信頼できる混合則、相関式、実測値を使用します。
物性値を探すときの手順
物性値は暗記するのではなく、条件に合う値を正しく選ぶことが重要です。
- 物質と相を確認する
液体、気体、固体のどの相かを明確にします。 - 温度・圧力・組成を決める
入口と出口で温度が違う場合は、平均温度や区間ごとの値を検討します。 - 基準を確認する
質量基準かモル基準か、定圧比熱か定容比熱かを確認します。 - 単位を統一する
\(\mathrm{mPa\cdot s}\)、cP、\(\mathrm{Pa\cdot s}\) などの換算に注意します。 - 出典と適用範囲を記録する
データベース名、温度、圧力、組成、推算法を計算書に残します。
\[
1\ \mathrm{mPa\cdot s}
=
1\ \mathrm{cP}
=
1.0\times10^{-3}\ \mathrm{Pa\cdot s}
\]
\[
1\ \mathrm{cSt}
=
1.0\times10^{-6}\ \mathrm{m^2/s}
\]
平均物性値を使ってよい場合
温度変化が小さいときは、入口温度と出口温度の平均温度で物性値を評価する近似がよく使われます。
\[
T_{\mathrm{avg}}=\frac{T_{\mathrm{in}}+T_{\mathrm{out}}}{2}
\]
ただし、次の場合は単純な平均値では不十分です。
- 温度範囲が広く、粘度などが大きく変化する
- 沸騰・凝縮・融解などの相変化がある
- 臨界点付近で物性値が急変する
- 反応や蒸発によって組成が大きく変わる
- 非ニュートン流体で粘度がせん断速度に依存する
このような場合は、装置を区間分割して物性値を更新するか、物性パッケージを備えたプロセスシミュレータを使います。
物性値を組み合わせた無次元数
化学工学では、単独の物性値だけでなく、複数の物性値を組み合わせて現象を比較します。
Prandtl数
\[
\boxed{\mathrm{Pr}=\frac{\nu}{\alpha}=\frac{\mu c_p}{k}}
\]
運動量の拡散と熱の拡散の比を表します。20℃の水では、
\[
\mathrm{Pr}
\approx
\frac{1.00\times10^{-6}}{1.43\times10^{-7}}
\approx
7.0
\]
です。水では、熱よりも運動量のほうが速く拡散することを意味します。
Schmidt数
\[
\boxed{\mathrm{Sc}=\frac{\nu}{D_{AB}}=\frac{\mu}{\rho D_{AB}}}
\]
運動量の拡散と物質の拡散の比を表します。
これらの無次元数を使うことで、流体や装置の大きさが違っても、伝熱・物質移動の相似性を整理できます。
よくある間違い
粘度と動粘度を混同する
\(\mu\) と \(\nu\) は単位が異なります。レイノルズ数の式にどちらを使うかで式の形も変わります。
比熱と熱容量を混同する
比熱は単位質量あたりの値、熱容量は物体全体の値です。
\[
C=mc_p
\]
熱容量の単位は \(\mathrm{J/K}\) です。
拡散係数の組み合わせを書かない
\(D_{AB}\) は成分Aと媒体Bの組み合わせで決まります。成分、相、温度、圧力を明記します。
温度や圧力が違うデータを使う
特に気体密度と液体粘度は運転条件による差が大きいため、「常温の代表値」を高温装置へそのまま使わないようにします。
単位だけを合わせて基準を見落とす
\(\mathrm{kJ/(kg\cdot K)}\) と \(\mathrm{kJ/(kmol\cdot K)}\) は、質量基準とモル基準の違いです。単位換算には分子量が必要です。
実務ではどの物性値が重要か
目的によって優先して確認する物性値は変わります。
| 計算対象 | 主に必要な物性値 |
|---|---|
| 物質収支・体積流量と質量流量の換算 | 密度 |
| 配管圧力損失・ポンプ・撹拌 | 密度、粘度 |
| 加熱・冷却の熱量 | 比熱、密度 |
| 熱交換器・非定常熱伝導 | 熱伝導率、比熱、密度、粘度 |
| 吸収・乾燥・膜分離・抽出 | 拡散係数、密度、粘度、溶解度 |
| 蒸留・フラッシュ計算 | 蒸気圧、比熱、潜熱、気液平衡 |
物性値は計算式の「入力値」に見えますが、装置設計の精度を左右する重要なモデル要素です。
演習問題で確認しよう
物性値の意味がわかったら、化工演習室で化学工学の基礎問題に挑戦してみましょう。
確認問題
3問のミニテストで、ここまでの内容を確認しましょう。選択すると、その場で正誤と解説が表示されます。
QUICK CHECK
1 / 3化学工学の基礎・初級
このミニテストの回答結果は保存されません。学習記録を残す場合は化工演習室をご利用ください。
まとめ
- 物性値は、物質の物理的な性質を数値で表したもの
- 密度は単位体積あたりの質量で、\(\rho=m/V\)
- 粘度は流れへの抵抗、動粘度は \(\nu=\mu/\rho\)
- 比熱は熱を蓄える能力、熱伝導率は熱を伝える能力
- 熱拡散率は \(\alpha=k/(\rho c_p)\) で、温度変化の広がりやすさを表す
- 拡散係数は、成分と媒体の組み合わせによって決まる
- 物性値を使うときは、温度・圧力・組成・相・単位を必ず確認する
- 変化が大きい場合は、平均値ではなく区間ごとの物性値を使う
物性値は、化学工学の各分野をつなぐ共通言語です。数値を暗記するのではなく、定義と単位、どの現象を表すかを押さえておきましょう。
参考文献・データベース
- IUPAC Gold Book: density
- IUPAC Gold Book: shear viscosity
- IUPAC Gold Book: heat capacity
- IUPAC Gold Book: thermal conductivity
- IUPAC Gold Book: differential diffusion coefficient
- NIST Chemistry WebBook: Thermophysical Properties of Fluid Systems
- IAPWS Industrial Formulation for Water and Steam
- IAPWS Formulation for the Thermal Conductivity of Water


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