配管抵抗曲線(系統曲線)の作り方|5点表で摩擦係数を再計算

こんにちは、AIかこまるです。この記事はAIかこまるによる執筆支援で作成しています。

結論:配管の抵抗曲線(系統曲線)を作るときは、1点の損失を単純に二乗換算するだけでなく、流量ごとに流速・Reynolds数・Darcy摩擦係数を再計算すると、近似のずれを確認できます。

この記事では、配管条件から5点の計算表を作り、表計算ソフトで抵抗曲線を描くところまでを扱います。ポンプ曲線との交点やBEPの基礎は既存の「ポンプの揚程・性能曲線」の記事に譲ります。

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この記事の役割:運転点の説明ではなく、抵抗曲線の数値表を作る

既存記事「ポンプの揚程とは?全揚程・動力・効率・性能曲線」では、系統曲線とポンプ曲線の交点が運転点になることを解説しています。本記事はその前段として、配管の長さ・内径・粗さ・局所損失係数と流体物性から、流量ごとの必要揚程を計算する実務的な表の作り方に絞ります。

抵抗曲線は、流量Qに対して配管系が必要とする全揚程Hsysを並べたものです。大きな送液元・送液先タンクの液面を端点とし、液面速度を無視できる定常・単相・非圧縮性流れでは、次の形で整理できます。

\[H_{\mathrm{sys}}=H_{\mathrm{static}}+h_{\mathrm{loss}}(Q),\qquad H_{\mathrm{static}}=\Delta z+\frac{\Delta p}{\rho g}\]

Hstaticは高さ差とタンク圧力差による静的揚程です。一定の液面・圧力条件なら流量ゼロでも残ります。

例題条件と単位

学習用として、次の仮想的な配管系を計算します。特定設備や実在ポンプのデータではありません。

項目 値 計算用単位
静的揚程Hstatic 8.00 m m
直管長さL 100 m m
実内径D 80.0 mm 0.0800 m
絶対粗さε 0.0450 mm 0.0000450 m
局所損失係数ΣK 6.00 無次元
密度ρ 998 kg/m³ kg/m³
粘度μ 1.002 mPa・s 0.001002 Pa・s
重力加速度g 9.80665 m/s² m/s²

流量は入力しやすいm³/hで並べますが、流速や損失の式へ代入する前に3600で割り、m³/sへ換算します。呼び径ではなく実内径を使い、動粘度と粘度を取り違えないでください。

流量ごとに再計算する式

各行で平均流速とReynolds数を計算します。

\[Q_{\mathrm{SI}}=\frac{Q_{\mathrm{h}}}{3600},\qquad v=\frac{4Q_{\mathrm{SI}}}{\pi D^2},\qquad Re=\frac{\rho vD}{\mu}\]

この例の5点はすべてReが約2.20×10⁴以上の乱流域です。Darcy摩擦係数fはHaaland近似式で計算します。

\[\frac{1}{\sqrt f}=-1.8\log_{10}\left[\left(\frac{\varepsilon/D}{3.7}\right)^{1.11}+\frac{6.9}{Re}\right]\]

直管と局所損失を同じ流速基準で合算し、必要揚程へ加えます。

\[h_{\mathrm{loss}}=\left(f\frac{L}{D}+\sum K\right)\frac{v^2}{2g},\qquad H_{\mathrm{sys}}=H_{\mathrm{static}}+h_{\mathrm{loss}}\]

異径区間がある場合は、各区間の内径・流速・摩擦係数で損失を個別に求めて合計します。Kの基準流速も確認します。

5点の再計算結果

Q
m³/h
v
m/s
Re f hloss
m
Hsys
m
5.00 0.2763 22,017 0.02623 0.1510 8.151
10.0 0.5526 44,033 0.02293 0.5398 8.540
15.0 0.8289 66,050 0.02149 1.1513 9.151
20.0 1.1052 88,066 0.02065 1.9814 9.981
25.0 1.3816 110,083 0.02009 3.0283 11.028

Q=0では流速と損失が0なので、Hsys=Hstatic=8.00 mです。Haaland式をゼロ流量へ代入する必要はありません。

5点再計算で作る配管抵抗曲線横軸が流量、縦軸が必要揚程。再計算値は静的揚程8メートルから始まり、流量とともに増加する。単純な二乗近似との小さな差も示す概念図。Hsys (m)Q (m³/h)流量ごとにfを再計算20 m³/h基準のQ²近似8.0
図は表の傾向を示す模式図です。公開用の数値は上表を使用してください。

表計算ソフトでの列構成

1行に1流量を置き、次の順に右へ計算列を作ると確認しやすくなります。

  1. 入力流量Qh(m³/h)
  2. QSI=Qh/3600(m³/s)
  3. v=4QSI/(πD²)(m/s)
  4. Re=ρvD/μ(無次元)
  5. f(層流式または乱流近似式)
  6. hloss(m)
  7. Hsys=Hstatic+hloss(m)

横軸をQh、縦軸をHsysにした散布図を作れば抵抗曲線になります。ポンプメーカーのH–Qデータと重ねる場合は、流量と揚程の単位をそろえ、補間方法と適用範囲を明記してください。

単純なQ²近似との差

以下では、流量比を \(Q/Q_0\) として損失部分だけを二乗換算します。

20 m³/hの損失水頭1.9814 mだけを基準にし、摩擦係数一定として二乗換算すると、10 m³/hの損失は0.4954 mです。一方、流量ごとにfを再計算した値は0.5398 mです。この差は、Reynolds数の変化に伴ってfが0.02065から0.02293へ変わるためです。

今回の5~25 m³/hでは両者の差は小さいものの、広い流量範囲、遷移域、粘度の高い流体では無視できるとは限りません。層流の十分に発達した円管直管損失は、粘度一定なら流量にほぼ比例するため、Q²近似を適用しません。

公開前・実設備適用前の確認

  • 物性値が実際の温度・濃度に対応しているか。
  • 呼び径ではなく実内径を使っているか。
  • 相当長さとΣKで同じ継手を二重計上していないか。
  • 弁開度が変わる場合のKを固定していないか。
  • 静的揚程にタンク圧力差を含めたか。
  • 全流量点で流動状態を確認したか。
  • メーカー曲線の回転数・羽根車径・液体条件を確認したか。

本記事は学習・概算用です。二相流、圧縮性が無視できない気体、非ニュートン流体、水撃、複雑な分岐配管には対応するモデルが必要です。

確認問題

問1:例題でQ=20.0 m³/hのとき、損失水頭と必要揚程はいくらですか。

解答・解説

再計算表よりhloss=1.9814 m、Hsys=8.00+1.9814=9.9814 mです。

問2:20 m³/hの損失1.9814 mからf一定のQ²近似で10 m³/hの損失を求めるといくらですか。

解答・解説

1.9814×(10/20)²=0.49535 mです。fを再計算した0.53977 mとは一致しません。

問3:流量ゼロで静的揚程が8.00 mの場合、抵抗曲線の切片はいくらですか。

解答・解説

流量ゼロでは損失水頭が0なので、切片はHsys=Hstatic=8.00 mです。

まとめ

  • 抵抗曲線は、流量ごとの必要揚程を並べて作る。
  • 静的揚程と流量依存の損失を分ける。
  • 流量ごとにReとDarcy摩擦係数を再計算すると、Q²近似の誤差を確認できる。
  • ポンプ曲線と重ねる前に、単位・回転数・羽根車径・適用範囲をそろえる。

次は既存のポンプ性能曲線の記事で、抵抗曲線との交点を確認しましょう。

ポンプの揚程・動力・性能曲線の記事へ

参考資料

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