分級とは?ふるい分け・重力分級・遠心分級の原理と分級効率を例題で解説

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小麦粉をふるいにかけると、大きなダマは網の上に残り、細かい粉だけが網を通過します。一方、空気や水の流れを利用すれば、網を使わずに粗粒と微粒を分けることもできます。

このように、粒子群を粒径などの違いによって複数の製品へ分ける操作が分級です。粉砕機の後で目標粒径に達した粒子を取り出し、粗粒だけを粉砕機へ戻す閉回路粉砕にも欠かせません。

この記事では、分級とふるい分けの違い、乾式・湿式分級、重力分級・遠心分級の原理、代表的な分級機、分級点 \(d_{50}\)、部分分級効率、ニュートン効率の計算例まで解説します。

この記事の目標

  • 分級とふるい分けの違いを説明できる
  • 重力分級と遠心分級の原理を、粒子へ働く力から理解する
  • 部分分級効率曲線と分級点 \(d_{50}\) を読み取れる
  • 粗粒・細粒の物質収支からニュートン効率を計算できる
  • 粒径、密度、水分、処理量などから分級方式を選べる
図解|分級機で粒子を分ける考え方
分級機で粒子を分ける考え方供給粒子が分級点d50を境に粗粒側と細粒側へ分かれる流れを示す。分級機で粒子を分ける考え方供給粒子が分級点d50を境に粗粒側と細粒側へ分かれる流れを示す。1供給粒子大小が混在粒径分布をもつ2分級点 d50粗粒・細粒へ同確率で分配32つの製品粗粒側と細粒側完全分離ではないPOINT分級効率は「目的粒子をどれだけ正しい側へ回収できたか」で評価する式・図の記号は記事本文の定義と対応しています
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分級とは

分級とは、粒子群を主に粒径の違いによって二つ以上の製品へ分ける単位操作です。一般に、大きな粒子を多く含む流れを粗粒製品、小さな粒子を多く含む流れを細粒製品と呼びます。

理想的な分級では、基準粒径より大きい粒子はすべて粗粒製品へ、小さい粒子はすべて細粒製品へ移ります。しかし実際には、基準粒径に近い粒子、凝集した微粒子、流れに巻き込まれた粗粒などが反対側へ入ります。

分級は、粒子を完全に二分する「デジタルな操作」ではありません。
各粒径の粒子が粗粒側・細粒側のどちらへ行くかには確率的な幅があります。その性能を表すのが、部分分級効率曲線と分級点 \(d_{50}\) です。

分級を行う目的

  • 製品の上限粒径や粒径分布を管理する
  • 粉砕後の粗粒を取り除き、再び粉砕する
  • 微粉を除去して、流動性や取り扱いやすさを改善する
  • 粒径差・密度差を利用して異物や有用成分を分離する
  • 後工程の混合、反応、成形、塗布などを安定させる

粒径分布と累積通過率の読み方は「粒径分布とは?平均粒径・累積分布・D10・D50・D90を例題で解説」で解説しています。

分級とふるい分けの違い

広い意味では、ふるい分けも粒径による分離操作です。ただし粉体工学では、網目を使う操作をふるい分け・篩分、流体中での運動の違いを使う操作を流体分級として区別することがあります。

項目 ふるい分け 流体分級
分離の基準 粒子が開口を通過できるか 流体中の沈降・移動速度、慣性、抗力など
主な装置 振動ふるい、回転ふるい、湿式ふるい 重力分級機、風力分級機、サイクロン、ローター分級機
粒径以外の影響 形状、粒子の向き、凝集、網目形状 密度、形状、流体物性、凝集、流れ場
得意な領域 比較的粗い粒子、明確な網目による分離 細粒・微粒、連続処理、分級点の調整
主な問題 目詰まり、網の摩耗、近接粒子の分離 バイパス、凝集、圧力損失、流れの変動

ASTM E11-24では、試験用ふるいの網目について、公称開口寸法、平均開口、最大開口、開口の標準偏差などの要求事項が定められています。ふるいの「メッシュ番号」だけで判断せず、実際の開口寸法と規格を確認します。

ふるい分けの原理

ふるいへ供給された粒子は、網面の運動や重力によって移動します。その途中で網目に出会い、通過できる粒子は網下へ、通過できない粒子は網上へ進みます。

ただし、開口より小さい粒子が必ず一度で通過するわけではありません。粒子が網目へ到達し、通過できる向きで開口に入る必要があります。

ふるい分けを難しくする要因

  • 近接粒子:開口寸法に近く、通過確率が低い
  • 目詰まり:粒子が開口へはまり、開口面積を減らす
  • 付着・凝集:水分や静電気で微粒子が塊になる
  • 過大な供給量:粉体層が厚くなり、微粒子が網面へ到達しにくい
  • 粒子形状:針状・板状粒子は向きによって通過のしやすさが変わる
  • 網の摩耗・変形:実際の開口が変わり、分離粒径がずれる
ふるい分け時間を長くすれば、常に正しい結果になるわけではありません。粒子の破壊・摩耗や凝集体の解砕が起こると、測定中に試料そのものが変化します。ISO 2591-1では、試験ふるいによる測定へ影響する要因、装置、手順、結果表示の一般原則が扱われています。

流体分級の基本原理

流体分級では、空気や水の中で粒子へ働く力の違いを利用します。代表的な力は次のとおりです。

  • 重力
  • 浮力
  • 流体抗力
  • 遠心力・慣性力

大きく密度の高い粒子は、重力や遠心力の影響を受けやすくなります。小さい粒子は、粒子自身の慣性より流体抗力の影響が相対的に大きく、流れに追従しやすくなります。

流体分級で分けているのは、幾何学的な粒径だけではありません。
粒径が同じでも、密度・形状・表面状態が違えば運動が変わります。異なる材料を分級するときは「大きい粒子ほど粗粒側へ行く」と単純化できない場合があります。

重力分級と終末沈降速度

静止流体中で粒子が沈降すると、下向きの重力と上向きの浮力・流体抗力が働きます。加速直後を除けば力がつり合い、粒子は一定の終末沈降速度 \(v_{\mathrm{t}}\) で移動します。

球形粒子が粘性支配の領域で沈降するとき、Stokesの式は、

\[
\boxed{
v_{\mathrm{t}}
=\frac{(\rho_{\mathrm{p}}-\rho_{\mathrm{f}})g d_{\mathrm{p}}^2}
{18\mu}
}
\]

です。ここで、

  • \(\rho_{\mathrm{p}}\):粒子密度
  • \(\rho_{\mathrm{f}}\):流体密度
  • \(d_{\mathrm{p}}\):粒子径
  • \(\mu\):流体の粘度
  • \(g\):重力加速度

を表します。

この式から、沈降速度は粒子径の2乗と密度差に比例し、流体粘度に反比例することが分かります。

重力分級機や上昇流分級機では、流体の上向き速度と粒子の沈降速度を比較します。終末沈降速度が上昇流より大きい粒子は沈みやすく、小さい粒子は流れに運ばれやすくなります。

Stokesの式は、球形粒子、希薄系、終末速度、非乱流の条件を仮定した式です。粒子Reynolds数が大きい場合、高濃度スラリー、非球形粒子、凝集粒子では、適切な抗力係数や補正式が必要です。

遠心分級の原理

粒子が半径 \(r\)、接線方向速度 \(u_{\theta}\) で旋回するとき、粒子に対応する遠心力の大きさは、

\[
\boxed{
F_{\mathrm{c}}
=m_{\mathrm{p}}\frac{u_{\theta}^2}{r}
}
\]

です。

旋回流中では、大きく密度の高い粒子ほど外側へ移動しやすくなります。一方、小さい粒子は流体抗力によって気流や液流に追従し、中心側の流れとともに排出されやすくなります。

サイクロン

サイクロンでは、気体または液体を接線方向から導入して旋回流を作ります。粗粒は外壁側へ移動して下部へ、細粒は中心側の流れに乗って上部へ排出されます。

構造が比較的単純で、可動部がほとんどありません。ただし、分級点を細かくしようとすると圧力損失が大きくなり、摩耗、出口閉塞、空気漏れなどの影響も受けます。

ローター式空気分級機

回転する分級ローターと気流を組み合わせます。細粒は気流に乗ってローターを通過し、粗粒は遠心力によって外側へ戻されます。

一般に、ローター回転数を上げると粗粒をはじく作用が強くなり、分級点を小さくできる傾向があります。ただし、処理量、風量、粉体濃度、凝集状態との組み合わせで性能が決まります。

代表的な分級機の種類

装置 主な原理 特徴 主な注意点
振動ふるい 開口通過 構造が分かりやすく、粒径境界を網目で設定できる 目詰まり、網の摩耗、微粉の凝集
重力・風力分級機 沈降速度、慣性 空気流で粗粒と細粒を分ける。比較的単純 密度・形状の影響、流れの乱れ
沈降槽・水力分級機 液中の沈降速度 湿式で微粒子を分散しやすく、粉じんを抑えられる 脱水・乾燥、排水、粒子濃度
気体サイクロン 遠心力・慣性 可動部が少なく、連続処理・高温ガスにも使いやすい 微粒子の分離、圧力損失、摩耗、空気漏れ
ハイドロサイクロン 液中の遠心力 スラリーを連続分級し、粗粒をアンダーフローへ集める 入口圧力、固体濃度、ノズル摩耗・閉塞
ローター式空気分級機 遠心力と気流抗力のつり合い 回転数と風量によって細かな分級点を調整しやすい 動力、摩耗、粉体分散、処理量とのトレードオフ

乾式分級と湿式分級

項目 乾式分級 湿式分級
分級媒体 主に空気 主に水・溶媒
長所 脱水・乾燥が不要で、粉体をそのまま回収できる 微粒子を分散しやすく、発熱・粉じんを抑えやすい
短所 凝集、静電気、粉じん、ガス動力が問題になる 脱水・乾燥、液処理、溶出・汚染が必要になる
向く工程 乾燥粉体の直接製品化、乾式粉砕との閉回路 湿式粉砕、スラリー工程、微粒子の分散が重要な工程

数 \(\mathrm{\mu m}\) 以下の乾式粉体では、一次粒子が凝集体を作り、見かけ上は大きな粒子として分級される場合があります。分級機の性能だけでなく、供給前の分散状態が重要です。

部分分級効率曲線と分級点 \(d_{50}\)

分級機へ供給された粒径 \(d\) の粒子のうち、粗粒製品へ移った質量割合を \(T(d)\) とします。

\[
\boxed{
T(d)
=\frac{\text{粗粒製品中の粒径 }d\text{ の粒子質量}}
{\text{供給物中の粒径 }d\text{ の粒子質量}}
}
\]

\(T(d)\) を粒径に対して描いた曲線を、部分分級効率曲線、部分回収率曲線、Tromp曲線、配分曲線などと呼びます。

この記事では粗粒側への回収率を使うため、粒径が大きくなるほど \(T(d)\) は1へ近づきます。

\[
\boxed{
T(d_{50})=0.50
}
\]

を満たす粒径 \(d_{50}\) が50%分級点です。この粒径の粒子は、粗粒側と細粒側へ移る確率が50%ずつという意味です。

文献やメーカー資料によっては、細粒側への回収率を縦軸に取る場合があります。その曲線は左右が反転します。\(d_{50}\) を比較するときは、どちらの製品への部分回収率か、バイパス補正を行った \(d_{50\mathrm{c}}\) かを確認してください。

分級の鋭さ

分級曲線が \(d_{50}\) 付近で急に立ち上がるほど、粒径の近い粒子を鋭く分けられています。

分級の鋭さを表す指標の一つが不完全度 \(I\) です。

\[
\boxed{
I
=\frac{d_{75}-d_{25}}
{2d_{50}}
}
\]

ここで、\(d_{25}\)、\(d_{75}\) は、粗粒側への部分回収率がそれぞれ25%、75%となる粒径です。一般に \(I\) が小さいほど、分級曲線の立ち上がりが急で、鋭い分級を表します。

分級効率を求める物質収支

ある基準粒径より小さい粒子を「細粒成分」、それ以上を「粗粒成分」として、分級機全体の性能を評価します。

  • \(\dot{m}_0\):供給物の質量流量
  • \(\dot{m}_{\mathrm{C}}\):粗粒製品の質量流量
  • \(\dot{m}_{\mathrm{F}}\):細粒製品の質量流量
  • \(x_0\):供給物中の細粒質量分率
  • \(x_{\mathrm{C}}\):粗粒製品中の細粒質量分率
  • \(x_{\mathrm{F}}\):細粒製品中の細粒質量分率

全固体の物質収支は、

\[
\boxed{
\dot{m}_0
=\dot{m}_{\mathrm{C}}
+\dot{m}_{\mathrm{F}}
}
\]

細粒成分の物質収支は、

\[
\boxed{
\dot{m}_0x_0
=\dot{m}_{\mathrm{C}}x_{\mathrm{C}}
+\dot{m}_{\mathrm{F}}x_{\mathrm{F}}
}
\]

です。

細粒回収率

供給物中の細粒が、目的の細粒製品へ回収された割合を \(R_{\mathrm{F}}\) とします。

\[
\boxed{
R_{\mathrm{F}}
=\frac{\dot{m}_{\mathrm{F}}x_{\mathrm{F}}}
{\dot{m}_0x_0}
}
\]

粗粒回収率

供給物中の粗粒が、目的の粗粒製品へ回収された割合を \(R_{\mathrm{C}}\) とします。

\[
\boxed{
R_{\mathrm{C}}
=\frac{\dot{m}_{\mathrm{C}}(1-x_{\mathrm{C}})}
{\dot{m}_0(1-x_0)}
}
\]

ニュートンの分級効率

両方の回収を一つの指標で表す方法が、ニュートン効率 \(\eta_{\mathrm{N}}\) です。

\[
\boxed{
\eta_{\mathrm{N}}
=R_{\mathrm{F}}+R_{\mathrm{C}}-1
}
\]

完全分級なら \(R_{\mathrm{F}}=R_{\mathrm{C}}=1\) なので、\(\eta_{\mathrm{N}}=1\) です。分級されず、供給物が同じ組成のまま二つに分かれただけなら、二つの回収率の和は1となり、\(\eta_{\mathrm{N}}=0\) です。

「分級効率」という言葉には複数の定義があります。細粒回収率だけを分級効率と呼ぶ資料もあります。数値を比較するときは、必ず計算式と製品側の定義を確認しましょう。

例題:ニュートン効率を計算する

例題
基準粒径を \(75\ \mathrm{\mu m}\) とします。供給量は \(\dot{m}_0=1000\ \mathrm{kg/h}\)、供給物中の細粒質量分率は \(x_0=0.40\) です。分級後、粗粒製品は \(\dot{m}_{\mathrm{C}}=650\ \mathrm{kg/h}\)、その細粒質量分率は \(x_{\mathrm{C}}=0.10\) でした。
細粒製品の流量・細粒質量分率、細粒回収率、粗粒回収率、ニュートン効率を求めてください。

1.細粒製品の流量

\[
\dot{m}_{\mathrm{F}}
=1000-650
=350\ \mathrm{kg/h}
\]

2.細粒製品の細粒質量分率

細粒成分の物質収支より、

\[
1000\times0.40
=650\times0.10
+350x_{\mathrm{F}}
\]

\[
x_{\mathrm{F}}
=\frac{400-65}{350}
=0.957
\]

したがって、細粒製品の約95.7%が \(75\ \mathrm{\mu m}\) 未満の粒子です。

3.細粒回収率

\[
R_{\mathrm{F}}
=\frac{350\times0.957}{1000\times0.40}
=0.8375
\]

厳密には、丸める前の細粒質量 \(335\ \mathrm{kg/h}\) を使っています。

\[
R_{\mathrm{F}}
=\frac{335}{400}
=0.8375
\]

よって、細粒回収率は83.8%です。

4.粗粒回収率

\[
R_{\mathrm{C}}
=\frac{650(1-0.10)}
{1000(1-0.40)}
=\frac{585}{600}
=0.975
\]

よって、粗粒回収率は97.5%です。

5.ニュートン効率

\[
\eta_{\mathrm{N}}
=0.8375+0.975-1
=0.8125
\]

答え

  • 細粒製品の流量:\(350\ \mathrm{kg/h}\)
  • 細粒製品中の細粒質量分率:\(0.957\)(95.7%)
  • 細粒回収率:\(83.8\%\)
  • 粗粒回収率:\(97.5\%\)
  • ニュートン効率:\(81.3\%\)

この例では、粗粒は高い割合で粗粒製品へ回収されています。一方、供給細粒 \(400\ \mathrm{kg/h}\) のうち \(65\ \mathrm{kg/h}\) が粗粒製品へ迷い込んでいるため、細粒回収率の方が低くなっています。

粉砕機と分級機を組み合わせる閉回路

粉砕機から出た粒子を分級し、細粒を製品として取り出し、粗粒だけを粉砕機へ戻す方式を閉回路粉砕と呼びます。

\[
\text{原料}
\rightarrow
\text{粉砕機}
\rightarrow
\text{分級機}
\begin{cases}
\text{細粒} \rightarrow \text{製品}\\
\text{粗粒} \rightarrow \text{粉砕機へ返送}
\end{cases}
\]

目標粒径に達した粒子を早く取り出せるため、過粉砕を抑え、製品粒度を管理しやすくなります。

ただし、分級点が小さすぎる、分級が鋭すぎて処理量が不足する、循環粗粒が増えすぎると、粉砕機の負荷や系内滞留量が増えます。粉砕機と分級機を個別ではなく、一つの循環系として評価します。

粉砕の原理とBond式は「粉砕とは?粉砕機の種類とKick・Rittinger・Bondの法則を例題で解説」で解説しています。

分級性能に影響する要因

要因 分級性能への影響
供給粒度分布 分級点付近の粒子が多いほど、誤配分の影響が大きくなる
粒子密度・形状 流体中の移動速度が変わり、同じ幾何学径でも行き先が異なる
凝集・付着 微粒子が粗大な凝集体として挙動し、粗粒側へ移りやすくなる
供給濃度・処理量 粒子間干渉や流れ場が変わり、分級点と鋭さが変化する
空気量・液量 流体抗力が変わり、細粒側へ運ばれる粒径範囲が変わる
ローター回転数 遠心力が変わり、空気分級機の分級点を調整できる
圧力・圧力損失 サイクロンやハイドロサイクロンの流れ場とエネルギー消費を左右する
摩耗・閉塞・漏れ 形状・流量・圧力が設計値からずれ、分級性能が低下する

分級方式を選ぶ手順

  1. 製品仕様を決める:上限粒径、\(d_{50}\)、粒径分布、回収率を数値化する
  2. 供給粉体を調べる:粒度分布、密度、形状、凝集性、水分、摩耗性を確認する
  3. 乾式・湿式を選ぶ:前後工程、乾燥、粉じん、分散性を比較する
  4. 分離原理を選ぶ:開口、重力、慣性、遠心力の適性を考える
  5. 物質収支を取る:粗粒・細粒の流量と粒度分布を測定する
  6. 性能を曲線で評価する:\(d_{50}\)、\(d_{25}\)、\(d_{75}\)、バイパスを確認する
  7. 運転範囲を確認する:処理量、圧力損失、回転数、摩耗、閉塞を評価する

よくある間違い

分級点より小さい粒子は、すべて細粒側へ行くと考える

\(d_{50}\) は完全な境界ではなく、粗粒側への部分回収率が50%となる粒径です。分級点より小さい粒子の一部も粗粒側へ入り、分級点より大きい粒子の一部も細粒側へ入ります。

全体回収率だけで分級性能を判断する

粗粒を大量に回収すれば、粗粒側の全体回収率は高くなります。しかし細粒まで一緒に回収していれば、分級は鋭くありません。粒径ごとの部分分級効率を確認します。

粒径だけが分離を決めると考える

流体分級では密度・形状・凝集状態も影響します。粒径分布計で得た幾何学径と、流体中の運動を支配する相当径が一致しないことがあります。

風量や回転数を上げれば必ず性能が良くなると考える

分級点、処理量、分級の鋭さ、圧力損失、摩耗にはトレードオフがあります。一つの操作変数だけでなく、製品仕様とエネルギーを含めて最適化します。

確認問題

3問のミニテストで、ここまでの内容を確認しましょう。選択すると、その場で正誤と解説が表示されます。

QUICK CHECK

1 / 3

粉体工学・初級

このミニテストの回答結果は保存されません。学習記録を残す場合は化工演習室をご利用ください。

まとめ

  • 分級は、粒子群を主に粒径の違いによって粗粒製品と細粒製品へ分ける操作である
  • ふるい分けは開口通過、流体分級は沈降速度・慣性・遠心力などを利用する
  • 重力分級では、粒径・密度・流体粘度によって終末沈降速度が変わる
  • 遠心分級では、大きく密度の高い粒子ほど外側へ移動しやすい
  • \(d_{50}\) は粗粒側と細粒側へ移る確率が50%となる分級点である
  • 部分分級効率曲線が急に立ち上がるほど、粒径の近い粒子を鋭く分けられる
  • ニュートン効率は、細粒回収率と粗粒回収率の両方から分級性能を評価する
  • 粉砕機と分級機を閉回路化すると、粗粒を返送し、過粉砕を抑えやすい
  • 分級性能は、粒度分布、密度、凝集、処理量、流量、回転数、摩耗などに依存する

参考資料

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