化学工学の基礎を、数式と直感の両面から初学者にもわかりやすくお届けします。
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熱力学第一法則は「エネルギーの量が保存される」ことを表します。しかし、エネルギーが保存されるだけでは、熱が高温側から低温側へ流れる理由や、摩擦で失われた仕事を完全には取り戻せない理由を説明できません。
そこで必要になるのが、熱力学第二法則とエントロピーです。エントロピーは、自然に起こる変化の向きと、エネルギーが仕事へ変換される可能性を判断するための状態量です。
この記事では、エントロピーの定義、可逆過程と不可逆過程、エントロピー増大則、代表的な計算式を、加熱・熱移動・蒸発・理想気体の例題を通して解説します。
- エントロピーが表すものと、エンタルピーとの違い
- 熱力学第一法則だけでは変化の向きを決められない理由
- 可逆過程・不可逆過程とエントロピー生成の関係
- 閉じた系、孤立系、定常流動系のエントロピー収支
- 加熱、温度差のある熱移動、蒸発、理想気体のエントロピー変化
- 計算で間違えやすい温度・符号・単位の注意点
エンタルピー・内部エネルギー・熱・仕事の違いと、エネルギー収支の基礎を先に確認しておくと、第一法則と第二法則の役割を整理しやすくなります。
エントロピーとは
エントロピー \(S\) は、温度、圧力、内部エネルギー、エンタルピーなどと同じ状態量です。初期状態と最終状態が決まれば、その変化量 \(\Delta S\) は途中の経路に依存しません。
可逆過程で系へ入る微小な熱を \(\delta Q_{\mathrm{rev}}\)、その境界の絶対温度を \(T\) とすると、エントロピーの微小変化は次式で定義されます。
\[
\boxed{dS=\frac{\delta Q_{\mathrm{rev}}}{T}}
\]
有限の変化では、初期状態1から最終状態2まで積分して、
\[
\boxed{\Delta S=S_2-S_1=\int_1^2\frac{\delta Q_{\mathrm{rev}}}{T}}
\]
と求めます。添字の “rev” は reversible、つまり可逆を表します。
ここで最も重要なのは、エントロピー変化を計算するとき、同じ始状態と終状態を結ぶ仮想的な可逆経路を選べることです。実際の変化が不可逆であっても、状態量である \(\Delta S\) は計算しやすい可逆経路を使って求められます。
一方、任意の不可逆過程について、実際に移動した熱をそのまま使って \(\Delta S=Q_{\mathrm{actual}}/T\) とすることはできません。不可逆過程では、熱によるエントロピー移動に加えて、系の内部でエントロピーが生成されるからです。
エントロピーの単位
エントロピーと比エントロピーの代表的な単位は次のとおりです。
| 量 | 記号 | SI単位 |
|---|---|---|
| エントロピー | \(S\) | \(\mathrm{J/K}\) |
| 比エントロピー | \(s=S/m\) | \(\mathrm{J/(kg\,K)}\) |
| モルエントロピー | \(S_m=S/n\) | \(\mathrm{J/(mol\,K)}\) |
化学工学では、蒸気表や物性表に比エントロピー \(s\) が \(\mathrm{kJ/(kg\,K)}\) で掲載されることがよくあります。物質量基準と質量基準を混同しないようにしましょう。単位換算に不安がある場合は、単位と次元の基礎も確認してください。
「乱雑さ」だけで説明しない
エントロピーは「乱雑さ」や「無秩序さ」と説明されることがあります。気体の自由膨張や混合を直感的に考えるには役立ちますが、これだけでは熱移動や相変化の計算を正確に説明できません。
初学者は、まず次の2つの見方を持つと理解しやすくなります。
- 熱力学的な見方:可逆的に移動する熱を絶対温度で割った量
- 統計的な見方:同じ巨視的状態を実現できる微視的な配置の数を表す量
統計力学では、エントロピーはボルツマンの関係
\[
S=k_{mathrm{B}}\ln W
\]
で表されます。\(k_{\mathrm{B}}\) はボルツマン定数、\(W\) はその巨視的状態を実現する微視的状態の数です。利用できる配置が多いほど、エントロピーは大きくなります。
熱力学第一法則だけでは変化の向きがわからない
第一法則は、閉じた系なら概念的に
\[
\Delta U=Q-W
\]
と表されます。これはエネルギー保存を表しますが、変化が自然に起こる向きまでは示しません。
たとえば、100 kJの熱が400 Kの物体から300 Kの物体へ移動しても、逆に300 Kから400 Kへ移動しても、2物体を合わせたエネルギーの総量は保存されます。第一法則だけを見れば、どちらも否定されません。
しかし、外部から仕事を加えない限り、熱は自然に高温側から低温側へ流れます。この方向性を示すのが熱力学第二法則です。
第一法則は「エネルギーはいくらあるか」を追跡します。第二法則は「その変化は自然に起こり得るか」「エネルギーのうち、どれだけを仕事へ変えられるか」を制約します。どちらか一方だけでは、実際の熱プロセスを十分に評価できません。
熱力学第二法則とエントロピー増大則
系と周囲を合わせた全体のエントロピー変化は、
\[
\boxed{\Delta S_{\mathrm{total}}=\Delta S_{\mathrm{sys}}+\Delta S_{\mathrm{surr}}\ge 0}
\]
となります。これがエントロピー増大則です。
| 過程 | 全体のエントロピー変化 | 意味 |
|---|---|---|
| 可逆過程 | \(\Delta S_{\mathrm{total}}=0\) | エントロピー生成がない理想限界 |
| 不可逆過程 | \(\Delta S_{\mathrm{total}}>0\) | エントロピーが内部で生成される現実の過程 |
| 不可能な過程 | \(\Delta S_{\mathrm{total}}<0\) | 第二法則に反する |
周囲と熱も物質も交換しない孤立系では、外からエントロピーが入ってこないため、
\[
\boxed{\Delta S_{\mathrm{isolated}}\ge 0}
\]
となります。
ただし、「あらゆる系のエントロピーが必ず増える」わけではありません。冷却される物体のように、系のエントロピーが減ることはあります。そのとき周囲のエントロピーはそれ以上に増え、系と周囲を合わせた全体では減少しません。
クラウジウスの不等式
一つのサイクルについて、熱の出入りと温度の関係は
\[
\boxed{\oint\frac{\delta Q}{T}\le 0}
\]
で表されます。等号は可逆サイクル、不等号は不可逆サイクルです。このクラウジウスの不等式から、エントロピーという状態量とエントロピー生成の考え方が導かれます。
可逆過程と不可逆過程
可逆過程とは
可逆過程とは、系と周囲の両方を、どこにも正味の変化を残さず元の状態へ戻せる理想的な過程です。現実に完全な可逆過程を実現することはできませんが、装置性能の上限を考える基準になります。
可逆に近づけるには、駆動力を無限小に近づける必要があります。たとえば熱移動なら温度差、流動なら圧力差、物質移動なら濃度差を非常に小さくし、摩擦や散逸をなくした極限です。
不可逆過程とは
現実のプロセスには有限の駆動力と摩擦があるため、ほとんどが不可逆過程です。代表例は次のとおりです。
- 有限の温度差を通した熱移動
- 配管や機械における摩擦、粘性散逸、圧力損失
- 気体の自由膨張
- 異なる物質や濃度の混合
- 有限の化学ポテンシャル差を伴う物質移動
- 平衡から離れて進む化学反応
不可逆性があるとエントロピー生成 \(S_{\mathrm{gen}}\) が生じ、
\[
\boxed{S_{\mathrm{gen}}\ge 0}
\]
です。\(S_{\mathrm{gen}}=0\) は可逆過程、\(S_{\mathrm{gen}}>0\) は不可逆過程を表します。負のエントロピー生成は起こりません。
閉じた系のエントロピー収支
物質の出入りがない閉じた系では、エントロピー収支を
\[
\boxed{\Delta S_{\mathrm{sys}}=\int\frac{\delta Q}{T_b}+S_{\mathrm{gen}}}
\]
と表せます。\(T_b\) は熱が通過する系境界の絶対温度です。
この式は、次の収支構造を表しています。
\[
\text{系のエントロピー変化}
=\text{熱による移動}+\text{内部での生成}
\]
熱が系へ入るとき \(Q>0\)、系から出るとき \(Q<0\) とします。エントロピーは熱とともに境界を通って移動できますが、エネルギーとは異なり、不可逆性によって系内で生成されます。
定常流動系のエントロピー収支
熱交換器、タービン、圧縮機、バルブなどの連続装置では、物質がエントロピーを運びます。定常状態の一般的な収支は、
\[
\boxed{0=\sum_{\mathrm{in}}\dot m s-\sum_{\mathrm{out}}\dot m s+\sum_j\frac{\dot Q_j}{T_j}+\dot S_{\mathrm{gen}}}
\]
です。入口と出口が一つずつなら、
\[
\boxed{\dot m(s_2-s_1)=\sum_j\frac{\dot Q_j}{T_j}+\dot S_{\mathrm{gen}}}
\]
となります。断熱でも、摩擦、圧力損失、混合などがあれば \(\dot S_{\mathrm{gen}}>0\) です。「断熱だから等エントロピー」とは限りません。断熱かつ可逆な場合にだけ、入口と出口の比エントロピーが等しくなります。
蒸気タービンや圧縮機では、蒸気表の比エントロピーを用いて理想的な等エントロピー変化と実際の変化を比較します。
物質のエントロピー変化を求める代表式
液体・固体を加熱するとき
比熱 \(c_p\) を一定とみなし、相変化のない液体・固体を \(T_1\) から \(T_2\) まで加熱すると、
\[
\boxed{\Delta S=mc_p\ln\left(\frac{T_2}{T_1}\right)}
\]
です。温度は必ず絶対温度Kで代入します。必要熱量の式 \(Q=mc_p(T_2-T_1)\) とは形が異なり、エントロピー変化には対数が現れます。比熱の基礎は比熱とは?定圧比熱と定容比熱で解説しています。
理想気体の温度と圧力が変わるとき
比熱を一定とみなせる理想気体では、単位質量当たりのエントロピー変化は、
\[
\boxed{\Delta s=c_p\ln\left(\frac{T_2}{T_1}\right)-R\ln\left(\frac{p_2}{p_1}\right)}
\]
または、
\[
\boxed{\Delta s=c_v\ln\left(\frac{T_2}{T_1}\right)+R\ln\left(\frac{v_2}{v_1}\right)}
\]
で求められます。\(R\) は気体定数、\(v\) は比体積です。どちらを使っても、同じ始状態と終状態なら同じ \(\Delta s\) になります。理想気体の状態方程式と組み合わせて使います。
一定温度で相変化するとき
飽和温度 \(T_{\mathrm{sat}}\) で可逆的に蒸発・凝縮する場合、潜熱を \(L\) とすると、
\[
\boxed{\Delta S=\frac{mL}{T_{\mathrm{sat}}}}
\]
です。蒸発では正、凝縮では負になります。顕熱と潜熱の違いは、顕熱・潜熱の計算で詳しく扱っています。
例題1:水を20 ℃から80 ℃まで加熱する
2.0 kgの水を20 ℃から80 ℃まで加熱します。定圧比熱を \(c_p=4.18\ \mathrm{kJ/(kg\,K)}\) で一定とみなし、水のエントロピー変化を求めます。
絶対温度へ変換すると、
\[
T_1=20+273.15=293.15 \mathrm{K}
\]
\[
T_2=80+273.15=353.15 \mathrm{K}
\]
です。したがって、
\[
\begin{aligned}
\Delta S
&=mc_p\ln\left(\frac{T_2}{T_1}\right)\\
&=2.0\times4.18\times\ln\left(\frac{353.15}{293.15}\right)\\
&=1.557\ \mathrm{kJ/K}
\end{aligned}
\]
水の温度が上がったため、エントロピー変化は正です。
ここで \(Q/T\) に一つの代表温度を入れるのではなく、温度変化に沿って積分した結果が対数式になる点が重要です。
例題2:高温物体から低温物体へ熱が移動する
温度が一定に保たれた400 Kの高温熱源から、300 Kの低温熱源へ100 kJの熱が移動したとします。外部への熱漏れはないものとします。
高温熱源は熱を失うため、
\[
\Delta S_{\mathrm{hot}}=\frac{-100}{400}=-0.250\ \mathrm{kJ/K}
\]
低温熱源は熱を受け取るため、
\[
\Delta S_{\mathrm{cold}}=\frac{+100}{300}=+0.333\ \mathrm{kJ/K}
\]
両者を合わせると、
\[
\begin{aligned}
\Delta S_{\mathrm{total}}
&=\Delta S_{\mathrm{hot}}+\Delta S_{\mathrm{cold}}\\
&=-0.250+0.333\\
&=+0.0833\ \mathrm{kJ/K}
\end{aligned}
\]
となります。全体のエントロピーが増えたため、この熱移動は不可逆です。有限の温度差がエントロピー生成の原因です。
温度差を無限小に近づけ、多数の中間温度を通して熱を移動する理想限界では、エントロピー生成を0に近づけられます。ただし、温度差がなくなるほど熱移動速度も小さくなるため、実際の熱交換器では伝熱面積・コスト・圧力損失との折り合いをつけます。伝熱の3形態は伝導・対流・放射の基礎で確認できます。
例題3:100 ℃の水を蒸発させる
1.0 kgの飽和水を100 ℃で完全に蒸発させます。蒸発潜熱を \(L=2256.4\ \mathrm{kJ/kg}\)、飽和温度を \(T_{\mathrm{sat}}=373.15\ \mathrm{K}\) とします。
\[
\begin{aligned}
\Delta S
&=\frac{mL}{T_{\mathrm{sat}}}\\
&=\frac{1.0\times2256.4}{373.15}\\
&=6.047\ \mathrm{kJ/K}
\end{aligned}
\]
同じ結果は、100 ℃の蒸気表にある飽和蒸気と飽和水の比エントロピー差 \(s_g-s_f\) からも確認できます。蒸発によって温度が変わらなくても、相が変わり、エントロピーは大きく増加します。
例題4:理想気体を定圧で加熱する
1.0 kgの空気を300 Kから600 Kまで定圧で加熱します。空気を理想気体、\(c_p=1.005\ \mathrm{kJ/(kg\,K)}\) で一定とみなします。
圧力一定なので \(p_2/p_1=1\)、したがって圧力項は0です。
\[
\begin{aligned}
\Delta s
&=c_p\ln\left(\frac{T_2}{T_1}\right)-R\ln\left(\frac{p_2}{p_1}\right)\\
&=1.005\ln\left(\frac{600}{300}\right)\\
&=0.697\ \mathrm{kJ/(kg\,K)}
\end{aligned}
\]
温度が2倍でも、エントロピー変化は単純に2倍ではありません。温度比の自然対数で決まります。
エントロピーとエンタルピーの違い
名前が似ていますが、エントロピー \(S\) とエンタルピー \(H\) は別の状態量です。
| 項目 | エンタルピー | エントロピー |
|---|---|---|
| 記号 | \(H\)、比量は \(h\) | \(S\)、比量は \(s\) |
| 代表単位 | \(\mathrm{J}\)、\(\mathrm{J/kg}\) | \(\mathrm{J/K}\)、\(\mathrm{J/(kg\,K)}\) |
| 主な役割 | 流動系のエネルギー収支 | 変化の方向、不可逆性、性能上限の評価 |
| 収支上の特徴 | エネルギー保存則で追跡する | 不可逆過程で生成される |
蒸気表には \(h\) と \(s\) の両方が並んでいます。熱量や仕事を求めるエネルギー収支では主に \(h\)、タービンや圧縮機の理想状態、不可逆性を調べるときは \(s\) を使います。
エントロピー生成が装置性能に与える意味
エネルギーの総量は保存されても、そのすべてを有用な仕事へ変えられるわけではありません。有限温度差の熱移動、摩擦、混合、絞りなどでエントロピーが生成されるほど、仕事へ変換できる可能性が失われます。
周囲温度を \(T_0\) とすると、失われた仕事の理想的な尺度は、グイ・ストドラの関係
\[
W_{\mathrm{lost}}=T_0S_{\mathrm{gen}}
\]
で表されます。これは、エントロピー生成を減らすことが省エネルギーや装置効率の改善につながる理由を示しています。
ただし、エントロピー生成を小さくするために装置を無限に大きくすることは経済的ではありません。実務では、熱効率だけでなく、設備費、運転費、処理量、安全性を含めて最適化します。
よくある間違い
1. エントロピーは必ず増えると覚える
増加が保証されるのは、孤立系または系と周囲を合わせた全体です。対象に選んだ系だけなら、熱や物質とともにエントロピーを外へ出して減少することがあります。
2. どんな過程でも \(\Delta S=Q/T\) とする
\(\Delta S=Q/T\) をそのまま使えるのは、一定温度の可逆熱移動など条件が限られます。温度が変わる場合は積分し、不可逆過程ではエントロピー生成も考えます。
3. 温度に℃を使う
\(Q/T\) や \(\ln(T_2/T_1)\) の温度は必ずKです。20 ℃と80 ℃の比を \(80/20\) としてはいけません。293.15 Kと353.15 Kを使います。
4. 断熱なら等エントロピーと考える
断熱とは熱の出入りがないことです。摩擦や圧力損失があれば、断熱でもエントロピーは生成されます。等エントロピーになるのは、断熱かつ可逆な理想過程です。
5. エントロピー生成を負にする
\(S_{\mathrm{gen}}\) は0以上です。計算結果が負なら、熱の符号、入口・出口、境界温度、単位のいずれかを確認してください。
6. エントロピーとエンタルピーを混同する
エンタルピーの単位はエネルギー、エントロピーの単位はエネルギーを温度で割ったものです。記号 \(h\) と \(s\)、表の列、質量基準かモル基準かを確認しましょう。
計算の手順
エントロピー問題は、次の順番で整理すると解きやすくなります。
- 系の境界を決める:物体だけか、周囲を含むか、流動装置かを明確にする
- 始状態と終状態を決める:温度、圧力、相、質量を整理する
- 閉じた系か流動系かを判断する:物質によるエントロピー移動の有無を確認する
- 物性モデルを選ぶ:一定比熱、理想気体、蒸気表などを選ぶ
- 絶対温度へ直す:対数や分母に入る温度はKを使う
- 系と周囲を別々に計算する:必要なら両者を足して第二法則を確認する
- \(S_{\mathrm{gen}}\ge0\) を確認する:負なら符号や仮定を見直す
確認問題
3問のミニテストで、ここまでの内容を確認しましょう。選択すると、その場で正誤と解説が表示されます。
QUICK CHECK
1 / 3熱力学・初級
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まとめ
- エントロピーは、自然な変化の向きと不可逆性を表す状態量である
- 可逆過程では \(dS=\delta Q_{\mathrm{rev}}/T\) で定義される
- 系と周囲を合わせた全体では \(\Delta S_{\mathrm{total}}\ge0\) となる
- 可逆過程ではエントロピー生成が0、不可逆過程では正になる
- 系だけのエントロピーは、熱や物質を外へ出せば減る場合がある
- 液体・固体の加熱では \(\Delta S=mc_p\ln(T_2/T_1)\) を使う
- 温度は必ずK、比エントロピーの基準と単位にも注意する
- 断熱だけでは等エントロピーとは限らず、「断熱かつ可逆」が必要である
第一法則がエネルギーの量を扱うのに対し、第二法則は変化の方向とエネルギーの質を扱います。エントロピー収支を使えるようになると、熱交換器、タービン、圧縮機、蒸留、反応器などを「熱量が合っているか」だけでなく、「不可逆性がどこで生じているか」という視点で評価できます。
かこまるの化工演習室では、化学工学の基礎を分野別の確認問題で学べます。記事を読んだあとは、計算と判断問題でアウトプットしてみてください。
かこまるの化工演習室で基礎問題に挑戦する
参考資料
- IUPAC Gold Book: entropy
- MIT OpenCourseWare: Entropy and the Second Law of Thermodynamics
- NASA Glenn Research Center: Second Law – Entropy
- NIST Guide to the SI: SI derived units
- NISTIR 5078: Table 1. Saturation properties of ordinary water substance


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