液液抽出とは?分配係数・抽出率・多段抽出を例題でわかりやすく解説

液液抽出とは?分配係数・抽出率・多段抽出を例題でわかりやすく解説 液液抽出

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水に溶けている目的成分を、別の有機溶媒へ移して回収したい。あるいは、沸点が近くて蒸留では分けにくい成分を分離したい。このようなときに使われる代表的な分離操作が液液抽出です。

液液抽出では、互いに混ざりにくい2種類の液体を接触させ、溶質が「どちらの液体に溶けやすいか」という性質を利用します。基本は単純ですが、分配係数、物質収支、抽出率、多段化の効果を順番に理解することが重要です。

この記事で分かること

  • 液液抽出の原理と、蒸留・吸収との違い
  • 抽出液、抽残液、抽剤などの基本用語
  • 分配係数と選択度の意味
  • 単段抽出の物質収支と抽出率の求め方
  • 同じ溶媒量でも多段抽出が有利になる理由
  • 交差流多段抽出と向流多段抽出の基本式
  • 抽出装置と抽剤を選ぶときのポイント
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液液抽出とは

液液抽出(liquid-liquid extraction、solvent extraction)は、互いにほとんど混ざらない2つの液相の間に溶質を分配させる分離操作です。

たとえば、溶質Aを含む水溶液へ、水とは混ざりにくく、Aをよく溶かす有機溶媒を加えます。十分に混合するとAは水相から有機相へ移動し、その後に静置すると2つの液相へ分かれます。有機相を取り出せば、Aを水溶液から分離できます。

単段液液抽出の流れ 溶質を含む原料液と新しい抽剤を混合器で接触させ、沈降分離器で抽出液と抽残液の二相に分ける。 単段液液抽出:混ぜて、二相に分ける 原料液 F 溶質A+担体液 抽剤 S Aをよく溶かす液体 混合器 沈降分離器 抽出液 E Aを多く含む抽剤相 抽残液 R Aが減った原料相 混合で物質移動を進め、静置・沈降で2つの液相を分離する

液液抽出を使う場面

液液抽出は、特に次のような場合に有効です。

  • 混合物の沸点が近く、蒸留では分離しにくい
  • 高温にすると分解・変質する成分を低温で分離したい
  • 溶液中の目的成分が希薄で、蒸発させる溶媒量が多すぎる
  • 金属イオン、医薬品、発酵生成物などを選択的に回収したい
  • 廃水中の有機物や有価成分を別の液相へ移したい

蒸留が主に気液平衡と揮発度差を利用するのに対し、液液抽出は液液平衡と溶解性の差を利用します。高温を必要としないことは利点ですが、抽出後に抽剤から目的成分を回収し、抽剤を再生する工程が必要です。

抽出で使う基本用語

用語記号例意味
原料液\(F\)分離したい溶質を含む、抽出前の液体
抽剤・抽出溶媒\(S\)溶質を原料相から受け取るために加える液体
抽出液\(E\)溶質を取り込んだ抽剤側の相
抽残液\(R\)溶質が減少した原料液側の相
担体液\(L\)原料液から溶質を除いた、原料相の主成分
希釈剤\(V\)抽出相の主成分となる液体。抽剤とほぼ同じ意味で使う場合もある

抽出液は「上相」、抽残液は「下相」とは限りません。どちらが上になるかは密度で決まるため、相の名称は組成と役割で判断します。

分配係数とは

2つの液相を十分に接触させて平衡にしたとき、溶質Aの濃度比を分配係数として表します。本記事では、抽出相側の濃度を \(Y^*\)、抽残相側の濃度を \(X\) とし、希薄溶液で直線平衡を仮定して、

\[ Y^*=K_DX \]

と表します。したがって、

\[ K_D=\frac{Y^*}{X} \]

です。\(K_D\) が大きいほど、溶質は抽出相へ移りやすくなります。

「分配係数」という言葉について

化学工学の教科書や検索では「分配係数」が広く使われます。一方、IUPACでは、同じ化学種の平衡濃度比を分配比(partition ratio、distribution constant)、複数の化学形を合計した分析濃度の比を分配率(distribution ratio)として区別しています。計算では、どの化学形・濃度基準・相の順序で比を定義したかを必ず明記してください。

分配係数が一定でない場合

実際の分配関係は、温度、濃度、pH、イオン化、錯形成などによって変わることがあります。その場合は \(Y^*=K_DX\) という直線ではなく、実測した液液平衡曲線を使います。

弱酸や弱塩基の抽出では、非解離形だけが有機相へ移りやすい場合があります。そのためpHを変えると、同じ溶媒でも見かけの分配率と抽出率が大きく変化します。

選択度とは

原料液に目的成分Aと不純物Bがある場合、Aだけを抽出できることが重要です。AとBの分配係数を \(K_A\)、\(K_B\) とすると、選択度 \(\beta_{A/B}\) は、

\[ \beta_{A/B}=\frac{K_A}{K_B} \]

です。\(\beta_{A/B}\) が1より十分大きければ、AをBより選択的に抽出できます。分配係数が大きくても、不純物まで同じように抽出する溶媒は分離用の抽剤として適切とは限りません。

単段抽出の物質収支

まず、1回だけ混合・分離する単段抽出を考えます。初学者が式の意味を追いやすいように、次の仮定を置きます。

  • 原料相と抽剤相は互いにほとんど溶け合わない
  • 溶質は希薄で、担体液流量 \(L\) と抽剤流量 \(V\) は一定
  • 混合後に液液平衡へ到達する
  • 新しい抽剤には溶質が含まれず、\(Y_0=0\)
  • 溶質濃度は、担体液または抽剤1 kg当たりの溶質量で表す

原料液中の溶質濃度を \(X_0\)、抽出後の抽残液濃度を \(X_1\)、抽出液濃度を \(Y_1\) とすると、溶質収支は、

\[ LX_0+VY_0=LX_1+VY_1 \]

です。新しい抽剤では \(Y_0=0\) なので、

\[ LX_0=LX_1+VY_1 \]

となります。平衡関係 \(Y_1=K_DX_1\) を代入すると、

\[ LX_0=LX_1+VK_DX_1 \]

したがって、抽残液濃度は、

\[ X_1=\frac{L}{L+K_DV}X_0 \]

です。

抽出率の求め方

原料中の溶質のうち、抽出相へ移った割合を抽出率 \(\eta\) とすると、

\[ \eta=\frac{LX_0-LX_1}{LX_0} \]

です。単段抽出の式を代入すれば、

\[ \eta =1-\frac{X_1}{X_0} =1-\frac{L}{L+K_DV} \] \[ \boxed{\eta=\frac{K_DV}{L+K_DV}} \]

となります。

ここで、抽出のしやすさを表す無次元の抽出因子 \(\mathcal{E}\) を、

\[ \mathcal{E}=\frac{K_DV}{L} \]

と定義すると、

\[ \eta=\frac{\mathcal{E}}{1+\mathcal{E}} \]

です。分配係数 \(K_D\) が大きい、または抽剤量 \(V\) が多いほど抽出率は上がります。

例題1:単段抽出の抽出率を計算する

問題

担体液流量 \(L=100\ \mathrm{kg/h}\) の原料液に、溶質Aが \(X_0=0.100\ \mathrm{kg\text{-}A/kg\text{-}carrier}\) 含まれています。新しい抽剤を \(V=50\ \mathrm{kg/h}\) 加えて単段抽出します。平衡関係が \(Y^*=2.5X\) のとき、抽残液濃度、抽出率、抽出液濃度を求めてください。

手順1:抽出因子を求める

\[ \begin{aligned} \mathcal{E} &=\frac{K_DV}{L}\\ &=\frac{2.5\times50}{100}\\ &=1.25 \end{aligned} \]

手順2:抽残液濃度を求める

\[ \begin{aligned} X_1 &=\frac{L}{L+K_DV}X_0\\ &=\frac{100}{100+2.5\times50}\times0.100\\ &=0.04444\ \mathrm{kg\text{-}A/kg\text{-}carrier} \end{aligned} \]

手順3:抽出率を求める

\[ \begin{aligned} \eta &=1-\frac{X_1}{X_0}\\ &=1-\frac{0.04444}{0.100}\\ &=0.5556 \end{aligned} \]

したがって、抽出率は、

\[ \boxed{\eta=55.6\%} \]

です。

手順4:抽出液濃度を求める

\[ \begin{aligned} Y_1 &=K_DX_1\\ &=2.5\times0.04444\\ &=0.1111\ \mathrm{kg\text{-}A/kg\text{-}solvent} \end{aligned} \]

溶質量で確認すると、原料に含まれる溶質は \(100\times0.100=10.0\ \mathrm{kg/h}\)、抽残液に残る量は \(100\times0.04444=4.444\ \mathrm{kg/h}\)、抽出液へ移る量は \(50\times0.1111=5.556\ \mathrm{kg/h}\) です。

\[ 10.0=4.444+5.556 \]

となり、物質収支が成立しています。

なぜ多段抽出が有利なのか

同じ総抽剤量を使う場合でも、全量を一度に加えるより、少量ずつ複数回に分けて新しい抽剤と接触させるほうが高い抽出率を得られます。各段で溶質を含まない抽剤を使うため、抽出の駆動力を回復できるからです。

単段抽出と交差流多段抽出の比較 同じ総抽剤量でも、抽剤を分割して各段へ新しく供給する交差流多段抽出のほうが抽残液中の溶質濃度を下げやすい。 同じ総抽剤量なら、分割して接触させると有利 単段抽出 混合・分離 抽剤を全量投入 原料 総抽剤量 抽残液 交差流3段抽出 原料 第1段 V/3 第2段 V/3 第3段 V/3 抽残液の濃度がより低い 各段へ新しい抽剤を入れると、毎回大きな濃度差をつくれる ただし、段数を増やすほど装置・配管・相分離器は増える

交差流多段抽出の計算

原料相を順番に複数の抽出段へ送り、各段へ新しい抽剤を加える方式を交差流多段抽出と呼びます。

各段で同じ量 \(V_s\) の新しい抽剤を使い、分配係数と流量が一定なら、1段ごとの残留割合は、

\[ \frac{X_i}{X_{i-1}} =\frac{L}{L+K_DV_s} \]

です。\(N\) 段後の抽残液濃度は、

\[ X_N =X_0\left(\frac{L}{L+K_DV_s}\right)^N \]

となります。総抽剤量を \(V_T\) とし、各段へ等分して \(V_s=V_T/N\) とすれば、

\[ \boxed{ X_N =X_0\left(1+\frac{K_DV_T}{NL}\right)^{-N} } \]

です。

例題2:単段抽出と2段抽出を比較する

問題

例題1と同じ原料液 \(L=100\ \mathrm{kg/h}\)、\(X_0=0.100\)、分配係数 \(K_D=2.5\) を使います。総抽剤量を \(V_T=100\ \mathrm{kg/h}\) としたとき、全量を一度に使う単段抽出と、50 kg/hずつに分ける2段交差流抽出の抽出率を比較してください。

単段抽出

\[ \begin{aligned} \frac{X_1}{X_0} &=\frac{L}{L+K_DV_T}\\ &=\frac{100}{100+2.5\times100}\\ &=0.2857 \end{aligned} \] \[ \eta_{\mathrm{single}}=1-0.2857=0.7143 \]

単段抽出の抽出率は、

\[ \boxed{\eta_{\mathrm{single}}=71.4\%} \]

です。

2段交差流抽出

各段の抽剤量は \(V_s=50\ \mathrm{kg/h}\) です。

\[ \begin{aligned} \frac{X_2}{X_0} &=\left(\frac{100}{100+2.5\times50}\right)^2\\ &=(0.4444)^2\\ &=0.1975 \end{aligned} \] \[ \eta_{\mathrm{2stage}}=1-0.1975=0.8025 \]

したがって、2段抽出の抽出率は、

\[ \boxed{\eta_{\mathrm{2stage}}=80.2\%} \]

です。同じ100 kg/hの抽剤でも、2回に分けることで抽出率が71.4%から80.2%へ上がりました。

向流多段抽出

工業装置では、原料相と抽剤相を反対方向へ流す向流多段抽出がよく使われます。溶質濃度の高い原料は、ある程度溶質を含む抽出相と接触し、溶質濃度の低い抽残液は、新しい抽剤と接触します。そのため塔・装置全体で有効な濃度差を保ちやすくなります。

直線平衡 \(Y^*=K_DX\)、一定流量、各段で平衡、新しい抽剤という条件では、抽出因子を、

\[ \mathcal{E}=\frac{K_DV}{L} \]

とすると、\(N\) 理論段後の溶質残留割合は、\(\mathcal{E}\neq1\) のとき、

\[ \boxed{ \frac{X_N}{X_0} =\frac{\mathcal{E}-1}{\mathcal{E}^{N+1}-1} } \]

です。\(\mathcal{E}=1\) のときは極限を取って、

\[ \frac{X_N}{X_0}=\frac{1}{N+1} \]

となります。この式は抽出に対するKremser型の関係です。実際の非直線平衡や相互溶解を無視できない系では、三角線図や数値計算を使います。

単段・交差流・向流の違い

方式特徴長所注意点
単段抽出1回だけ混合・分離装置と計算が簡単高い抽出率には多量の抽剤が必要
交差流多段抽出各段へ新しい抽剤を供給同じ総抽剤量なら単段より高効率段ごとに抽剤供給と相分離が必要
向流多段抽出2相を逆方向に流す抽剤を有効利用しやすい設計・運転・相分離が複雑

三角線図が必要になる場合

ここまでの式では、2つの液体が互いに溶けず、溶質が希薄で、各相の流量がほぼ一定と仮定しました。しかし実際には、原料溶媒と抽剤が部分的に溶け合う場合があります。

原料溶媒、抽剤、溶質の3成分系では、三角線図上に次の情報を表します。

  • 1相領域と2相領域の境界である溶解度曲線
  • 平衡にある抽出相と抽残相を結ぶタイライン
  • 原料と抽剤を混ぜた全組成を表す混合点
  • 抽出液量と抽残液量を求めるレバー・ルール

濃厚系や相互溶解が無視できない系では、単純な \(Y^*=K_DX\) よりも三角線図のほうが実際の相平衡を正しく表せます。

液液抽出装置の種類

装置仕組み特徴
ミキサーセトラー混合器で分散させ、沈降槽で二相に分離する段の概念が明確で、操作範囲が広い。設置面積は大きい
スプレー塔一方の液を液滴として他方の連続相へ分散する構造が簡単だが、逆混合が起こりやすい
充填抽出塔充填物によって液滴の分散・合一と接触を促す連続運転に向く。液分布やフラッディングに注意
撹拌抽出塔回転子などで液滴を分散し、物質移動を促進する物質移動速度を高めやすいが、動力が必要
遠心抽出器遠心力で混合と相分離を短時間で行う滞留時間が短く、エマルション化しやすい系にも有効

装置内では、液滴を小さくすると接触面積が増えます。しかし細かくしすぎると相分離が遅くなり、安定なエマルションを形成することがあります。物質移動速度と分離速度の両方を考える必要があります。

抽剤の選び方

良い抽剤は、単に目的成分をよく溶かすだけではありません。次の条件を総合的に評価します。

  1. 大きな分配係数:少ない抽剤量で目的成分を移せる
  2. 高い選択度:不純物より目的成分を選択的に抽出する
  3. 原料溶媒との小さな相互溶解度:2相へ分かれやすく、溶媒損失が少ない
  4. 十分な密度差:沈降・相分離が速い
  5. 低い粘度:混合、物質移動、送液が行いやすい
  6. 容易な再生:蒸留、放散、逆抽出などで目的成分と分けやすい
  7. 安全性と安定性:毒性、引火性、腐食性、反応性が低い
  8. 低コスト・入手性:補充や廃棄を含めて経済的である

分配係数が大きくても、抽剤の沸点が目的成分と近くて再生が難しい場合や、原料相へ多く溶けて損失する場合は、プロセス全体では不利になることがあります。

抽出後の抽剤再生

抽出液から目的成分を回収し、抽剤を再利用する工程まで含めて抽出プロセスです。主な再生方法には、

  • 蒸留によって目的成分と抽剤を分ける
  • 温度やpHを変えて分配関係を変える
  • 別の液相へ溶質を戻す逆抽出・ストリッピングを行う
  • 化学反応、晶析、吸着などで目的成分を除く

などがあります。抽出器だけを最適化するのではなく、抽剤再生に必要な熱量・薬品量・設備費も含めて評価します。

よくある計算ミス

  • 分配係数の分子・分母を逆にする
  • 質量分率と、溶媒基準の質量比を混同する
  • 抽出液 \(E\) と抽出因子 \(\mathcal{E}\) を同じ記号で混同する
  • 各段の抽剤量と総抽剤量を取り違える
  • 新しい抽剤の溶質濃度がゼロという仮定を確認しない
  • 相互溶解を無視できない系へ、一定流量の簡易式を使う
  • 平衡到達、温度一定、化学反応なしなどの条件を確認しない
  • 抽出率だけを見て、抽剤再生や相分離の難しさを無視する

よくある質問

抽出と洗浄は何が違いますか?

装置の原理は同じです。目的成分を抽出相へ回収したい場合を抽出、不純物を別相へ移して原料・製品相をきれいにしたい場合を洗浄と呼ぶことが多いです。

分配係数が大きければ必ず良い抽剤ですか?

いいえ。選択度、相分離速度、相互溶解度、毒性、引火性、価格、再生のしやすさも重要です。プロセス全体で評価します。

一度に大量の抽剤を使うより、分けたほうがよいのですか?

理想的な交差流抽出では、同じ総抽剤量を複数回に分けると抽出率は上がります。ただし段数を増やすと装置費や操作の複雑さが増えるため、経済的な段数を選びます。

抽出率を100%にできますか?

有限の抽剤量と段数では、通常は抽残液に溶質が残ります。抽剤量や段数を増やせば100%へ近づきますが、コストも増加します。必要な製品規格・回収率に応じて設計します。

液液抽出でも物質移動係数は必要ですか?

必要です。平衡計算は最終的にどこまで移るかを示しますが、装置の大きさや必要滞留時間を決めるには、液滴径、接触面積、各相の物質移動係数が必要です。詳しくは二重境膜説と総括物質移動係数の記事につながります。

確認問題

3問のミニテストで、ここまでの内容を確認しましょう。選択すると、その場で正誤と解説が表示されます。

QUICK CHECK

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分離工学・初級

このミニテストの回答結果は保存されません。学習記録を残す場合は化工演習室をご利用ください。

まとめ

  • 液液抽出は、互いに混ざりにくい2液相への溶質の分配を利用する分離操作である
  • 抽出液は溶質を取り込んだ抽剤相、抽残液は溶質が減った原料相である
  • 希薄系の直線平衡は \(Y^*=K_DX\) と表せる
  • 単段抽出の抽残液濃度は \(X_1=LX_0/(L+K_DV)\) である
  • 単段抽出率は \(\eta=K_DV/(L+K_DV)\) である
  • 同じ総抽剤量なら、交差流多段抽出は単段抽出より高い抽出率を得やすい
  • 向流多段抽出は、塔・装置全体で濃度差を保ち、抽剤を有効利用しやすい
  • 非希薄系や相互溶解がある3成分系では、三角線図や実測平衡データを使う
  • 抽剤は分配係数だけでなく、選択度、相分離性、安全性、再生性も含めて選ぶ

液液抽出の計算では、「平衡でどちらの相へ移りやすいか」と「全体の物質収支」を分けて考えることが重要です。まず単段抽出を理解し、その式を各段へ繰り返し適用すると、多段抽出や向流抽出へ自然に進めます。

参考資料

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